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ニカラグアのトランスペアレント事情や買付豆の紹介。

2021.1.29

[DAY1]ニカラグアのMierisch ファミリーが経営するドライミルに訪れています。

ニカラグアのMierisch ファミリーが経営するドンエスティマドライミルに訪れています。

チェリー又はパーチメントで受け取り、乾燥させ持ち込みされたチェリーをお返しする所までやっているドライミルです。

預かったチェリー又はパーチメントの重さと見た目でチェリーの状態を確認し熟し過ぎたチェリーなどのフィードバックをファーマーに直接声をかけています。

カードにチェリーがどの場所で乾燥されているか分かるように名前、レシービングの日
バラエティイ、プリメーラ、水分含有率が書かれていて、トランスペアレントを測っています。

ここでのイエローパカマラはスクリーンサイズ16+でパカマラの表記となり、レッドパカマラだと18+、マラゴジッペなら14+など品種により大きさの違いでパカマラが決まります。

ウォッシュの場合は12-14日の乾燥
パルプドナチュラでは16-18日、ナチュラルは約30日乾燥されます。

乾燥は大きいロットの分はブラックネットをひいた上で2-3日乾燥され、マイクロロットなどはその後、外のアフリカンベッド、又は雨がかからないようビニールの部屋の中のアフリカンベッドの上で乾燥されます。ビニールの色にも拘っているようで、これからブルーの色に変えていこうと考えているようです。より乾燥状態がよくなるようです。一番上の段で24%まで乾燥させると、その後はもっとゆっくりと乾燥させる為、一段ずつ下の段へと移していき、最後には12.5%まで乾燥させます。今新しく取り組んでいるアフリカンベッドは下にファンが付いているものもありました。コロンビアではこういった乾燥がもう始まっているようです。

続いてアナエロビックファーメンレーションが行なわれている部屋へ。2台のクーラー付きで、この部屋ではナチュラルのみ扱い、ファンが回ると6℃まで冷やされ、温度が10℃になるとまたファンが回るようです。0℃に近ければ酪酸が出て発酵が進まないので今はこの温度でコントロールをしているようです。コストがかなりかかるようで、これから屋根にソーラーを入れるそうです。ここに運ばれたチェリーはグレインプロに入れられ、その後タンクに入れ蓋をし、ガスが外に出ないようにします。これで約48-72時間の低温での発酵を行います。バリスタからの希望があるとここで6日ほど発酵する時もあるようです。最長では15日の発酵をしたことがあるようですが味わいがウイスキーになったようでかなりアルコール成分が増すようで、yieldはよくならないそうです。アナエロビックの目的はクリーンカップが主に目的なようで、この部屋では乳酸のコントロールができるようで、乳酸のコントロールをする事で出したいフレーバーに近づけるようです。

ジャバニカのアナエロビックも別の部屋で扱いがあるようです。

次にパーチメントを削る機械です。ここで欠点豆、密度、色選別を行います。マイクロロットは全てハンドピックで、これからはUVのハンドピック台も用意する様で、色で欠点豆をさらに取り除くことを試みています。

今日からまた一週間ほどニカラグアに滞在します。
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[DAY2] リモンシジョ農園へ

[Day2]
ニカラグアの中でもスペシャルティーコーヒーが最も有名ともいえるリモンシジョ農園に訪れています。Mel Coffee Roastersでも扱いのあるお豆です。

COEのヘッドジャッジも務めるエルフィン ミエリッヒのもついくつかの農園の1つ。マタガルパ地区。街から約車で1時間。途中でニカラグア特有のお花、ブカラというオレンジ色の花がとても綺麗な時期だ。

標高845m -1200mまであり、品種により植える標高が異なる。低い順にレッドカツアイ、ブルボン、エチオサル、イエローパカマラ、ジャバニカ、ゲイシャ。一番高い所で1200mだ。
精製方法は主にナチュラル。

写真はエチオサルという品種(チモールとサチモールの交配種)平坦な地で木と木の間を50cm間隔にし、トラクターが通れピッキング以外のソイルをまいたりなどの作業に効率が良く、3mの間隔で育てている。

肥料と除草剤の割合を使い分け、雑草の手入れが良く、周辺に生えた草も手入れがされている。選定の際やピックングの時期も作業しやすくしていて、無駄が少ない。土壌下はネマイヤ根に、上はパカマラの葉を。面積は240マンサナス(170ha)
リモンシジョ全部で3500キンタレス×46kg 袋。

周りは7つの滝で覆われていて、マイクロクライメイトがチェリーを良い状態に育ててくれるそう。湿度が少し高く感じます。滝の周りには竹も生えていて地盤が強く、岩盤での層ができているのが確認できる。土の層はそこまで厚くはなさそうで、来る道もほとんどが地盤も岩がゴツゴツしている。今年の降水量が少ないそうで、見てきた滝もいつもの2倍以下だそう。

ベネフィシオウェットミルにも足を運びました。ドンエスティマへ持っていくウォッシュ系のチェリーはここで発酵される。とても綺麗なウォッシングステーションの印象でした。ウェットミルはとても大きく、ブランドは不明。

とても大きな農園で、周りには農園で働く小さな集落も。子供達もいました。

[DAY3]

[DAY3]
サンデニスタ大統領時代、選挙が裏の組織により誘導されたりなどあり、政権の反対意見を持っていたロベルトベンダーニャや他の農園主は一時農園を奪われ商売が途切れ、コスタリカやアメリカに一時住むことを余儀なくされた。

この流れが変わったのがダニエルオルテガ現大統領に変わってからだ。農園をなんらかの理由で返してもらい農園主達のコーヒー栽培が再起した。ところが、3年ほど前にアメリカとのタバコなどの取引の問題で経済がうまく回らなく暴動などおき、苦しい時期がまだ続くニカラグア。

3日目にしてやっとカッピング場へ午前中に移動。その後マナグアからオコタルへ。

今回はずっとアテンドして頂いているセルヒオさんの家兼ドライミルに。

大家族のセルヒオ家、妻ケニア、長女エミリー、長男セルヒオ、次男ノエ、次女マリアナさん。とてもフレンドリーなお家でもてなしをしてくれました。

今回ドライミルに乾燥中だったのはセルヒオさんのもつエンバシー農園、カサブランカ農園のジャバニカナチュラル、オレンジハニー、レッドハニー、ジャバニカアナエロビックなど乾燥中でした。

エンバシー農園にもつナチュラルは最低1ヶ月のアフリカンベットにて乾燥、オレンジハニーは約22日。

自身のもつ3つの農園の標高や精製方法は適切なタイミングを見ながら乾燥させる。

[DAY4]
セルヒオさんのお家でカッピング。
色んなサンプルをカッピングさせて頂きました。サンプルの焙煎がとても上手なケニアさん。はっきりとした味わいのものが多かったです。

その後、エンバシーへ、標高1400m
バラエティーは5ヘクタールのレッドカツアイ/3ヘクタールのジャバニカ/2、5ヘクタールのイエローカツアイ、ゲイシャ、イエローブルボンだ。町から車で約1時間半。

ホンデュラスの国境のすぐ手前に位置し、マイクロクライメイトが酸味と甘さを引き立てます。気温は16-17℃

Toriple fermentation
グレインプロで48時間の
24hアエロビック(マウンテンドライ)
青色のでかいタンクでソーキング12h (水の入れ替えはない)
パルプをしてパーチメント発酵を山で9h残りの15hはアフリカンベッドで。みてもわかるとおり、パルピングしてからのパルプの量がかなり多い。シングルファーメンレーションだとパルプの量が少ない。

Double fermentation、グレインプロ48h、ソーキング12h、パルプピング、パーチメント発酵は山で9時間、アフリカンベッドで15時間。

他にもナチュラルがあり、ピッキングの時期がニカラグアにしては少し遅く、2-4月が収穫時期だ。去年は10人のピッカーだったのが、今年は20人のピッカーによりピッキングされる。ピッカー達はこの時期、山にて生活する。 

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[DAY6]
本日はイーコムグループのブエノスアイレスドライミルとウェットミル、農園を視察にやってきました。ドライミルは970mに位置し、10の農園エルシアタル、ララグーナ、サンサルバドル、エルナランホリフィリット、モンテリバノン、エルナランホキラリ、エルカルメン オホデアグラ、ミラフローレス、ブエノスアイレスを扱い、ウェットミルももつ。

COEに入賞することも多く、パカマラなど大きな品種はニカラグアでも2番目に多い。兄エミルオバジャダレス社長兼農園担当60年目の企業で、弟オルマンさんが営業をしいている。セルヒオさんのお豆も乾燥後ここに持ってこられる。

ブエノスアイレス農園へ1600m
6AMチェリーのピックングが始まり、15:00レシービングステーションでチェリーを預かりウエイトを測る。16:30クオリティーの高いチェリーは水を制限しながら発酵層に流す。生産国は出来るだけ水を使わないような流れになってきていてる。
使われた水はリサイクルで農園に持ち込まれる。

ミルは比重選別され、新しく導入したパルプドナチュラル用のフルフォーニ(グアテマラ製)パルパーが入っていた。発酵層で発酵時間は約8-12時間。
比重の悪いチェリーは小さなセカンドパルパーで。

カナル(ウォーターチャンネル)でウォッシングされながら比重選別を行い、比重の重たいものは別のバックへ。
パルプは肥料にリサイクルされ農園で使われる。今回の訪れた時のウォッシュはカツーラだ。

トータル時間はピッキングを終えてから約24-36時間のプロセスだ。

6月に花が咲く時期だが去年はドライシーズンが2回もあり、ドライの状態だと肥料を与えても吸収しなく、あまりチェリーが熟さない。少し9月に雨が降りチェリーが落ちてしまい。収穫量は今年は30%減った。
ただ今回ドライシーズンが続いたが、チェリーのクオリティーが上がったとおっしゃていました。カッピングで確かめてみてと。

ただ今年のドライシーズンが多かったり雨が降ったりとでイマチュアーや割れたチェリーも少しある様子。

農園の視察と同時のチェリーの糖度もバラエティー毎にチェックしてみました。
ラストクロップですが、ジャバニカbrix16、マラカツーラbrix23。ジャバニカはもう少し寝かせると熟度が増すようです。