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ケニアの農園視察、スペシャルティコーヒー豆を買付に行ってきました。

2020.12.30

【Kenya 農園買付 DAY1】

ケニアのRuiruの中のTatu、工業団地の一角にあるDorman社に来ています。約1年半ほど前に移転され、生豆倉庫、生豆選別機器、ハンドピック、焙煎場、サンプルルーム、クオリティーコントロール、カッピングルーム、バリスタトレーニングルームを設けています。通常ケニアの雨季は12月からだが、今年は11月から始まり例年にくらべより少し早く雨が風呂はじめ、雨の量も少し多い。ケニアに来たのは12年ぶり。コーヒーを通してまたやってきました。飛行機で大阪からドバイ経由で約22時間。

今回はケニアのコーヒーの買付とフェアトレード、トランスペアレント性を高める目的とした農園訪問です。本日はDorman社にて朝から夜までカッピング。ケニアのコーヒーは年々味わいの傾向が少しづつ変わってきています。2年前などはフルーツトマト系の味わい。最近ではプラムの様な印象が強いコーヒーが目立ってきています。毎年少しづつ変わる味わい。

美味しいコーヒーを見つけだすカッピングは普段の製品ローストのカッピングとは少し違います。ケニアのもつ生豆のポテンシャルや、フレッシュなフルーツフレーバーなどを五感をフル稼働させ見つけ出します。焙煎によってひきだし方も変わってきますので、生豆本来の持っている潜在能力を見分ける力が必要です。

Dorman社のKennedyさんにエチオピアは今年からCOEに参加されますが、ケニアは参加お考えですか?と質問をしたところ、ケニアはCOEに参加せずともケニアのコーヒーという認識が世界的に味わいを通じて分かっている様なので参加しなくてもよいとのこと。ただオファーがあれば参加はしたいともおっしゃていました。ケニアのコーヒーインダストリーはうまく回っているようだ。味わいから生み出されるフレーバーを通じて、トレードが成り立っているようだ。素晴らしい。

【Kenya Day2】

1893年に初めてプラントされたケニアのコーヒーは今では誰もが知るとてつもないフルーツの酸があるコーヒーとなっています。1920年頃からヨーロッパでも親しまれるようになり、1930年ごろからさらに需要が増え、トレードするシステムを考え出した人がエクスポーターを作り、ナイロビから海外にお豆を発送するようになりました。

モデレイトな気温、レインフォル、リッチな火山灰からコーヒーのコンディションはとても良くなり、ナイロビを三角形に囲むようにニエリ、キリニャガ、キアンブとエリアが徐々に拡大されていきました。

Dorman社の施設内も視察する事が出来ました。写真に載せているのはケニア生豆の保管、そこから良いものを別の倉庫に移動させ、カラー選別、比重の選別、スクリーンでの選別をしハンドピックを行っています。そしてコンテナに積込。積込作業の際に湿気を吸収する段ボールをコンテナ内全体に貼り付ける事で、シッピング中の湿度を少しでも減らそうと いう工夫も見られます。

今いるRuiruのTatuというウォッシングステーションのコーヒーもサンプルに並びカッピングする事ができました。どれも素晴らしいクオリティーでした。

今日はカッピングとニエリのウォッシングステーションに視察に向かいます。

【Kenya Day2-2】

Kenya 2日目午後。

NyeriのKaratinaにまで移動しCeentral Kenya Coffee Millにてカッピング。Mel Coffee Roastersで取扱させて頂いているケグワのロット違いのコーヒーやジャスミンの様なフレーバーのもつコーヒーに出会えました。

その後、 1710mにあるKiyambara ウォッシングステーションへ視察。Johnsさんにお会いしました。ここではKagimo-ini, Kiamabara,Koenji, Gathugu,Gatinaを扱っていて、コーヒー収穫時期から25人の人が働いています。チェリーを年間389t 、生豆を年間65t 取り扱うようです。レシービングステーションに運ばれてきた品種はSL28, SL34,Ruiru , Batian.。収穫したチェリーをB1(better),B2グレードにハンドピック、ウエイトを計り、B1(傾斜の高い),B2(傾斜の緩い)をタンクに分け、パルピング、以前使っていたコロンビア製のペナンゴスパルパーはパーチメントにダメージを与えるそうで、イギリス製のマッキンロンのパルパーにてパルピング、比重の重いもの、軽いものに選別し、14時間ほど発酵槽につけ、ウォッシングチャンネルにて水圧をコントロールしながらさらにグレード、そしてソーキングを1日。ソーキングをしっかりし、少しでも残ったミューシレージを取り除く事が重要とのこと(テクスチャーとクオリティーが変わる) 後、傾斜になっているスキンベッドにてソーキングされた水分を乾燥させながらさらにハンドピック。最後にアフリカンベッドにて18日乾燥。

続いてWachuriへ。

Wachuri farmers corporatise society 。1700mに位置し、シーズンで151000kg のチェリー、生豆が 30t 働いている人は754人。
品種Sl28 sl34 ruiru11 を扱っています。マネージャーのジョシュアさんに案内して頂きました。 Kiyambaraとの違いは発酵槽につける時間が36時間。ソーキングは12時間、スキンベッドはなくグレードと水分値でパーチメントを分けてから乾燥を14-21日間。

ケニアのコーヒー豆は他の国とウォッシュの仕方が少し違い最後にソーキングという水につける作業を約1日行います。ただこの作業でどう味わいに変わるのかという所は農園の方もはっきりとは分かっていない部分もあるようで、最近ではソーキングしていないところもあるそうだ。

グアテマラのエルインフェルト農園のアルトゥーロアギーレさんもソーキングを行っている品種もあるようですが、目的が少し違うよう。彼は冷たい水につける事でさらに有機酸を促進させることが出来るのではないかと考えていて、ここのソーキングは成功しているようだが、一方で、コロンビアでソーキングを試みた場所はあるようだがソーキングの水が冷たくないことから失敗している所もたくさんあるようです。冷たい水なのか違うのかという所にはポイントがありそうですね。

Dorman社のコネクションの強い場所ではダイレクでトトレードで購入する事も可能だ。
Farmers Corporative society での締めくくりも目立ってきていますが、Dorman社ではウォッシングステーションまでトレーサビリティを明確にする事ができる。トランスペアレントが明確になる事で今後のスペシャルティーコーヒーインダストリーもかなり変わってくるでしょう。

直接ウォッシングステーションの指導に関わっている場所がキーを握っているように思います。

【Kenya Day3】

NyeriにあるCentral Kenya Coffee Millのプロットエリアにて試検栽培を視察。ちょうど選定をしているところでした。

SL28のfly cropの実がなってきていました。Main Cropの方も例年に比べ2ヶ月ほど早く花の芽がなっていました。

このままいくと4,5月にピッキングが始まるようで、メインクロップの時期と少しがぶってくると、そのまま続けてメインクロップのチェリーも収穫する事もある様です。収穫は全体のチェリーの状態を見ながら収穫するので、SLとRuiruなどは混合。

SL28,34とRuiru, Butianの見分けですが、SLは実が大きく背もRuiru,Batianよりも少し大きめです。ただSLのカットバック前になると見分けはつきにくく、チェリーを見ればすぐわかるとの事でした。
Ruiruは少し背も低く、枝との間隔が短い様。
Batianも背が少し低く、実も少しこぶりの様。

通常は木の状態を見ながらカットバックしていきますが、新しい木が生えてから古い木をカットするようです。

カッピングさせて頂いたMutira , Kairi washing station へ視察。
7つのエリアの農園からチェリーを預かるウォッシングステーション。さんとサイモンさん( manager)にお話をききました。

年間426 tのチェリー。生豆で 71 t。
300人のメンバーで1農園あたり平均200本の木。(約0.1–0.2ヘクタール)品種はSL28 , Batian , Ruiru。

メインクロップのシーズンは通常11月〜1月。
見渡しの良いウォッシングステーションで、オーバーライプとアンライプのチェリーは扱わないようです。

レシービングステーションからチェリーを預かり、マッキンロンのウェットミルでパルピング、12-16時間発酵槽へ、ウォッシングチャンネル、ソーキング(クリーンカップ)、スキンドライを経てアフリカンベッドで12-14時間。見渡しの良い農園でした。

続いてKaritha ウォッシングステーションへ
ジョセフさんに案内していただきました。
1640mに位置し、Kyunyu , Kabingaraを扱っています。フェアトレードの認証をもち、
3300のメンバーにより969t のコーヒーチェリー、生豆だと約161t。1農家辺り約100本の木を栽培。
品種はRuiru11, Sl28 ,few Batian (2年前から)
発酵は16時間。乾燥に約7日。ソーキングは忙しい時はするが、忙しくなければノーソキングとのこと。

ソーキングをする場所としない所も出てきたケニア。味わいに違いが出てくるのでしょうか。

【Kenya ケグア】

Mel Coffee Roastersでも同じくKenyaの(Kirinyaga county)ケグアのウォッシングステーションのあるKirinyagaのKianyagaのKegwa Coffee Factoryの視察へ。

Ruiru11,SL28,Batianの品種を扱います。
標高1520m。

Gachoki マネージャーさんに会うことができました。ここではフェアトレードの認証をとっております。
メンバーは2400人いて実質は1800人ほどが稼働している。

Ngiriambu farmers coporateive sosietyによりKiri ,Kegwaのコーヒーチェリーを扱う。
年間696tのコーヒーチェリーに116tの生豆。
農家の方がレシービングの場所にチェリーを運び、ハンドピックしチェリーのクオリティーをチェックされる。
ウエイトをデジタルのスケールで農家さんが直接測り、量を確認。後にグレードを2つに分けられ、マッキンロンのウェットミルにてパルピングし比重で分けられる。発酵槽にセラミックのタイルが貼られている所とそうでない所があり、ここで9時間の発酵。後にウォッシングチャンネルへ。このウォッシングチャンネルは全てセラミックのタイルになっていて清潔であった。すぐ近くにある流れるGekoba Riverの水で選別され、混んでいる時はソーキングタンクにつけられるが、混んでいない時はソーキングはなくスキンドライへ。水分しっかり落ちると最終のアフリカンベッドで8日間乾燥させる。アフリカンベッドは少し前のものもあれば、新しく変わっている部分もあった。古いものはチェリーを置くと真ん中の方が重たく沈み込み均一にチェリーが乾燥されないことから新しいアフリカンベッドはしっかりしていて沈み込まない構造になっていた。残ったパルプは敷地内に掘られた穴から土へ肥料となる仕組みだ。

この場所に来れた事は本当に嬉しい。実際に自分達が扱っているコーヒーをどういう人達が扱いをしているかという事を知れる事はもちろん、はっきりとしなかった部分とハッキリした部分も見えてきた。

知っている限りのアフリカのコーヒーは農家の方がとても小さすぎるせいか、実際にビジネスとしてしているというより、場所を提供されている可能性もあり、美味しい部分だけのコーヒーを作るに至ってはかなりまだ幅があると感じた。大きな投資はいるかもしれないが、今後の将来を考えると、今から新しいエリアに農家を作ってもまだまだ間に合うと思う。それくらい大きく素敵な場所で魅力があると感じた。

[Day4 ]

Mount Kenyaを後にし車で3-4時間。RuiruのTatuにあるDorman社に帰ってきました。この数日でカッピングしたものの中からさらに絞り込み素晴らしいコーヒーを。

ケニアのコーヒーは本当に素晴らしいコーヒーばかりです。赤道に近い事もあり、昼間の日差しはとても紫外線が強くかなり焼けました。朝晩は冷え込みますが、この寒暖差がコーヒーをさらに美味しくさせます。

[Day5]

CMC ドライミルにやってきました。
12000tを扱う様です。
パーチメント、グレード選別、生豆、発送まで。
全ての工程をみてきましたが、ケニアのコーヒーはメルコーヒーロースターズでもいつも人気な商品がおおく、お勧めできるコーヒーだ。
酸味と甘みの両方が強いが、焙煎で少し甘みが出るように心がけて焙煎し、皆様のもとへお届けします。